若き“絶対王者”は、控室での表情でも大会を大いに盛り上げた。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント決勝が9月23日に放送され、チーム永瀬が5連勝でチーム稲葉を圧倒し3期ぶり2度目の優勝を飾った。表彰式では個人賞が発表され、準決勝敗退となったチーム藤井の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が予選最高成績賞を獲得。個人賞獲得の喜びとともに、約半年のチーム活動の思い出を笑顔で振り返った。
今大会から導入された個人賞5部門。永瀬拓矢王座(31)は最多勝(13勝)と最多対局賞(16局)のダブル受賞、最高勝率賞には6戦無敗の100%を叩き出した羽生善治九段(52)、初出場者が対象で最高勝率を上げた棋士に贈られる敢闘賞には澤田真吾七段(31)、そして予選最高成績賞には藤井竜王・名人が輝いた。
藤井竜王・名人は予選で5戦5勝、本戦では4勝1敗の好成績を飾ったものの、チームは準決勝で敗退。澤田七段と同門の兄弟子・齊藤裕也四段(26)と同じ東海地方出身の棋士でチームを組んで戦った今期の大会を「個人としても満足の行く結果が出せましたし、チームとしてもリラックスして控室などでも楽しく過ごすことができました」と満足気な表情で振り返った。
気心知れた両名とチームを組んだことで、控室での楽しげな表情は大きな話題を呼んだ。棋界の第一人者として、公式戦では隙無しの応答と凛々しい姿が印象的な“絶対王者”だが、頼れる先輩と同門の兄弟子と過ごす藤井竜王・名人は21歳の若者そのもの。普段は見ることのできないリラックスした顔や、自身の敗戦後にやさぐれモードとなった様子はファンの注目を集めていた。
藤井竜王・名人は「ちょっと毒舌が出てしまったかもしれないので、その点だけは心配です」と思い出し笑いしていたが、団体戦を満喫した満足気な表情に、ファンからは「おめでとうそうたん」「かわいかったね」「毒舌の心配してるやんw」「楽しい毒舌だったよ!」「毒舌の自覚あったw」「いい毒舌だったよw」「ブラック反省w」「チーム藤井めっちゃよかった」など多くのコメントが寄せられていた。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)