■「私は“産むのが得意”。役割分担をするコミュニティ」

 ネット上には「山口家を応援する会」なるものがあるという。「『お米がなくなった』と発信すると、みなさんが送ってきてくれたり、外から戻ってくると冷蔵庫に野菜やお肉が入っていて『入れといたよ』と。“みんなで子育てしよう”というのは政治の世界でも地域でも聞く言葉だが、本当にやっている人たちは少ない。それを本気でやる会を、シングルマザーの友達が立ち上げてくれた。私たちは大家族だけど、行政から支援は特にない。友達が『シングルマザーよりきつい生活をしている』『山口家はこんなに産んでいるのに国から何もしてもらえない。じゃあ私がやる』と。そこから企業の社長さんなども加わっていった」と説明する。

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 このコミュニティがあることで、「子育てをするのにお金がかかると思っていない。ネットやニュースだけを見ると、“子育ては大変”とか“子どもはめちゃめちゃお金がかかる”という情報に振り回されてしまう。私は“産むのが得意”で、得意なことをやっているだけ。農業が得意な人は野菜を作ってあげて、稼ぐのが得意な人は山口家を支援してくれる。役割分担をしながら生きているコミュニティになっている」とした。

 一方で、「年配の方とのお付き合いや相互理解は、私も難しいなと感じている面もある。“SNSで生きている家族って何?”と思われている方もたくさんいらっしゃる。全員が全員受け入れているわけではない。ただ、それを差し引いても、地域の中高生・大学生がうちの子を遊びに連れて行ってくれて、“下の子を面倒見るのは当たり前なんですよ”とコミュニケーションをとってくれるのは、この地域ならではだと思う」とも述べた。

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