将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が10月11日、王座戦五番勝負第4局で永瀬拓矢王座(31)に勝利、シリーズ成績3勝1敗で王座獲得に成功し、全8つのタイトルを独占した。将棋界は2018年度に八冠を8人のタイトルホルダーで分け合う“戦国時代”と呼ばれていたが、わずか5年にして世界は一変。全冠が藤井竜王・名人の手中に収まる“一強”時代へと突入した。
藤井竜王・名人がデビューした2016年10月直後、2018年の将棋界は8つのタイトルを8人で分け合う“戦国時代”と呼ばれていた。当時のタイトルホルダーは羽生善治竜王、佐藤天彦名人、高見泰地叡王、菅井竜也王位、中村太地王座、渡辺明棋王、久保利明王将、豊島将之棋聖の8人。複数タイトルの保持者がいない“群雄割拠”は1987年の以来31年の事態として大きな話題を呼んだ。
“戦国時代”当時はタイトル挑戦はまだ遠かった藤井竜王・名人ながら、デビュー当時からの活躍ぶりは、当然すべてのタイトルホルダーが意識する存在。2020年7月の棋聖戦で渡辺明九段に初挑戦すると、史上最年少の17歳11カ月で初のタイトルを獲得。わずか3年余りで、八つのタイトルを総なめにした。
八人八冠の戦国時代から、わずか5年後の2023年には藤井竜王・名人の“一強時代”へ。誰も予想できなかった異次元のスピードで大偉業を達成した絶対王者はながら、終局直後には「実力はまだまだ」と謙虚に語っていた。この先の将棋界にどのような未来を描くのか、期待は高まるばかりだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)