8つあるタイトルを総なめにしてもなお「もっと実力が必要だなと感じることが多い」と、藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)は語った。10月11日に行われた王座戦五番勝負第4局で勝利、史上初となる「八冠独占」を成し遂げたが、報道陣から度々飛ぶ「目標」「ゴール」といった質問に対して、今回の全冠制覇を一つの区切りや節目だと思うというような言葉は、1度も出てこなかった。結果を出せたことはうれしいが、勝ち方・内容については決して満足しない。最強棋士の見ている物は、周囲の想像のはるか上を行っている。