将棋の藤井聡太JT杯覇者(竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が10月21日、日本シリーズJTプロ公式戦の準決勝第1局で永瀬拓矢九段(31)に84手で勝利した。連覇を目指す藤井JT杯覇者が3期連続の決勝へ進出。次戦では11月19日に「東京ビッグサイト」で行われる決勝戦では、渡辺明九段(39)対糸谷哲郎八段(35)戦の勝者と戦う。
藤井JT杯覇者が難敵を破り、2連覇へ向けて大きく前進した。準決勝は第71期王座戦五番勝負を戦った永瀬九段との対戦に。振り駒の結果、永瀬九段の先手番に決まると角換わりの出だしとなった。両者の指し手はどんどん進み開始早々に永瀬九段から仕掛けて開戦し、陣形が整う前に激戦へと展開した。藤井JT杯覇者も先手陣目掛けて一気に攻め込むと、駒損をいとわず飛車と桂馬を切り飛ばして大技をかけていった。
リードを奪った藤井JT杯覇者の攻めは止まらない。受けに回って力を溜めつつなんとか流れを引き戻そうとする先手に対し、広い攻めを繰り出して押しつぶすように永瀬九段を圧倒した。快勝を飾った藤井JT杯覇者は、「こちらが飛車を切って攻め込んでいく形でしたが、かなりの駒損になるので上手くいっているか際どいかなと思いながら指していました」とコメントした。
一方、敗れた永瀬王座は「68飛車のところでどよめきが起きたので最善手ではなかったか…」と悔やんだが、解説を務めた谷川浩司十七世名人(61)は「どよめきは(会場で行われていた)封じ手クイズに当たった、ということで形勢を損ねたという意味ではなかったと思いますよ」と優しいフォローが入る場面も。それを受けた永瀬九段は「それは良かったです」と安心したような笑顔を見せていた。
この結果、藤井聡太JT杯覇者の決勝進出が決定。11月19日に「東京ビッグサイト」で行われる決勝戦では、渡辺九段-糸谷八段戦の勝者と激突する。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)