■「クリアできないゲームをひたすらやっている感覚」
認知症の患者の部屋を分ける、部屋に鍵をかけるなどの対応は可能なのか。向笠氏は「グループホームでフロアを分けることはあるが、徘徊防止のために鍵を閉めるとか、部屋に閉じ込めることは虐待行為にあたる。ただ、家族に許諾を得た上で鍵をかけることはある」と話す。
佐藤さんは「許諾・許可を得て鍵をかけることがOKになったのも最近のこと。私が働いていた時は、本当に“無理ゲー”というか、絶対にクリアできないゲームをひたすらやっている感じだった。夕方になると、みなさん家に帰りたい気持ちが強くなり出て行かれるが、スタッフが見に行くと施設が手薄になり、転倒事故が起きればと誰の責任だとなる。本当にどんな罰ゲームなのだろうと思っていた」と振り返る。
介護現場を守るため、厚労省はハラスメント対策を義務付けている。また、「ハラスメント対応マニュアル」も作成しているが、活用自治体は14.4%にとどまっている。
「管理者の時、若い女の子が胸を揉まれているのが許せず、かなり断固とした態度をとっていた」
