■“月額6000円増加”の効果は?
介護職員の人手不足は、2025年度には32万人、2040年度には倍の69万人になると試算されている。そんな中、佐藤さんは「きちんと値上げしてもらわないとやらない」という考えを持っているという。
「夜のお仕事や性的なサービスなども含め、どんな職業もすごくリスペクトしている。ある時、“自分のこの優しさをお金に換えられないか?”と考えて、介護保険を使わない介護サービスをフリーランスで始めることにした。時給1000円では我慢できないことでも、3000円、4000円、5000円と上げることで、許すという意味ではなく、サービスの質を上げることに心の障壁がなくなった」
介護職の報酬を月6000円増加させる閣議決定は効果があるのか。向笠氏は「6000円でもまだまだ少ない。危険手当的な意味合いといったところで、もっと上げて頂くことが重要だ」「より難しい利用者の場合は値段を上げるという、佐藤さんのような働き方はいいと思う」と指摘する。
一方でまだ課題も大きいとし、「介護の財源が限られている中で、国全体として等しくサービスを受けられる状態だったのが、じわじわとクオリティが下がっていく。その中で、お金を払える方は追加で自費サービスを使っていくというスタイルになると思う。自分が高齢者になった時にそれを受け入れられるか、世の中が許すかどうかだ」と疑問を呈した。(『ABEMA Prime』より)
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