ここまで“差”があるのか…「未婚・交際相手なし・異性との交際に興味なし」の75%超を年収300万円未満の男性が占める現実に若新雄純氏「自由に選べる社会は尊い一方、選択できる立場にたどり着けない人も」
【映像】年収による圧倒的な“差” 活路は「地方」にあり?

 事実、恋愛にも、結婚して家族を養うためにも先立つものは必要だ。しかし、ここまで大きな“差”があったとは━━。

【映像】年収による圧倒的な“差” 活路は「地方」にあり?

 東京財団政策研究所 坂元晴香主任研究員が国立社会保障・人口問題研究所「出生動向の基本調査」等を分析したところ、1971〜1975年生まれで、年収300万円未満の男性は62.8%が生涯子どもを持たず、対して、年収300万円以上600万円未満の男性は38.8%、年収600万円以上で20.0%が生涯子どもを持たないことが明らかになった。

 さらに、男性を「既婚」「未婚・交際相手あり」「未婚・交際相手なし・異性との交際に興味あり」 「未婚・交際相手なし・異性との交際に興味なし」の4つに分類。「未婚・交際相手なし・異性との交際に興味なし」の内訳を見たところ、年収300万円未満が75%超を占め、年収800万円以上はわずか0.1%だった。

 この結果に対し、慶応義塾大学の特任准教授でプロデューサーの若新雄純氏は「見方はいくつかある。もちろん、年収が300万円未満だと結婚できないとも読み取れるが、結婚にうまく噛み合わない、したいとも思わないタイプの人がたまたま低年収である場合も考えられる。どちらにより因果関係があるか、データだけではわからないが、実際問題、家族を養うためにはお金が必要だ」と分析した。

 さらに「『生活水準の差』については税金という形でお金を集めて、社会保障、生活保護、インフラを充実させるなどで格差を縮めることはできるが“人生の体験の豊かさ”は再分配できない」としつつ「現代社会においては、住む場所も仕事も付き合う相手も自由に選べる。一方で、自由には競争が付きまとうため、“選びたい放題”の人もいれば誰からも選んでもらえない人もいる。もちろん、だからと言って、生まれた時から仕事や住む場所や結婚相手が決まっていた時代に戻ればいいわけではない」との見方を示した。

 そんな若新氏は「地方の方がチャンスがある」と語る。

「生活コストがあまりかからない環境において、地縁の中で誰かがおせっかいを焼いてくれたり、親に頼って子育てを手伝ってもらうことも可能だ。知り合いの伝手で仕事を紹介してもらえるケースもあるだろう。“競争で勝ち抜ける自信のある人”は都会に出ればいいが、セーフティネットとしてのローカルも大事だ。ガチャという言葉が流行ったが人間社会には生まれながらの不平等がある。仕事や付き合う人たちを選べる立場の人こそ、才能や努力ができた環境に対して感謝して謙虚に生きるべきではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)

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