“緻密流”佐藤康光九段と“振り飛車党”藤井猛九段が 4強最後の1枠に入るのはどっちだ/将棋・達人戦
【映像】佐藤九段VS藤井九段 注目の準々決勝

 将棋の立川立飛杯達人戦準々決勝が11月24日に行われ、午後6時15分から佐藤康光九段(54)と藤井猛九段(53)の対局を開始した。これまでに行われた3局で、羽生善治九段(53)、森内俊之九段(53)、丸山忠久九段(53)が4強入りを決めている。準決勝最後の1枠に入るのはどちらか。振り駒の結果、先手は佐藤九段に決まった。

【映像】佐藤九段VS藤井九段 注目の準々決勝

 佐藤九段は1987年3月に四段昇段。竜王戦2組(1組以上:28期)、順位戦B級1組(A級以上:26期)。タイトルは永世称号を持つ棋聖の6期を含め計13期で、棋戦優勝も12回を誇る。序盤から発想力豊かな将棋を展開することで知られ、様々な異名を持っている。2017年2月から連盟会長職を担い、将棋界のトップとして達人戦を含む新棋戦の立ち上げや東西の新将棋会館建設事業のかじ取りを担ってきた。今年6月に大役を羽生善治九段(53)へと引き継ぎ、再びプレーヤーに専念。“初代・達人”の座を狙う。

 藤井九段は1991年4月に四段昇段。竜王戦2組(1組以上:16期)、順位戦B級2組(A級:10期)。タイトルは竜王で3期、棋戦優勝は8回。振り飛車党の実力者で、オリジナル戦法の「藤井システム」はプロ・アマ問わず多くの人に影響を与えた。放送対局やイベントなどでの解説では、ユーモアに富んだトークでも人気の棋士だ。今期の達人戦は予選からの出場で、近藤正和七段(52)、勝又清和七段(54)、塚田泰明九段(59)を破り本戦へ進出した。

 過去の公式戦対戦成績は36局で、佐藤九段の25勝11敗。1999年の棋王戦挑戦者決定に番勝負や、2002年王座戦挑戦者決定トーナメントなど各棋戦でトップ争いを演じてきた。準決勝の最後の1枠に入るのはどちらか。注目の一戦から目が離せない。

 新棋戦・達人戦は、2023年4月1日付で満50歳以上の現役棋士に参加資格が与えられている。第1回の出場者は、東京から32人、関西から18人、シードを含む合計54人が出場。初代「達人」の称号をかけて熱い戦いが繰り広げられている。本戦の持ち時間は各30分、切れたら一手30秒未満。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第1回達人戦立川立飛杯 準々決勝
【中継】第1回達人戦立川立飛杯 準々決勝
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