政治資金記載漏れ問題 西田亮介准教授「誰にとって都合が良いのか考えるべき」「注意を払うインセンティブがない」
【映像】岸田派・麻生派のパーティの様子
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 自由民主党の5つの派閥(安倍・二階・茂木・麻生・岸田派)政治団体が、「政治資金パーティー収支を過少記載した」として政治資金規正法違反で刑事告発された。2018〜2021年までの政治資金収支報告書において、約4000万円分の記載漏れがあったという。

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 各派閥は既に収支報告書を修正し、再発防止に努力すると表明しているが、納得しないと回答している人は71%となっている。『ABEMAヒルズ』は、この問題について東京工業大学の西田亮介准教授に意見を求めた。

――記載漏れについてどう考えている?

「記載漏れはなぜかよく起きる。人間だから仕方ないともいえるが、たいていの場合、過少記載。その一方で、なぜか過大記載を見かけないのは不思議だ。政治資金規制法には罰則が存在するが『虚偽にも重過失にも当たらない場合』、ペナルティーがない。虚偽や重過失は立証が難しい。つまり、注意を払うインセンティブが設けられていないために、過少記載が頻発している」

――再発防止に努めるために何かペナルティーがあった方がいいのか?

「過少記載が生じやすい状態が、誰にとって都合が良いのか考えるべきだ。国民が物価高で余裕がない時に、パーティ券の売上が大きいと世論の批判を受けやすい。そのため、金額は少なく記載したいのは自然だ。これを防ぐためにも、やはり間違いが起こりにくい制度設計が必要だ。税金の申告間違いがあり、修正申告する場合にも金利が発生するが、同様の仕組みを政治資金規正法上の収支報告書にも取り入れることはできないか」

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――さらに、この週末行われたANNの世論調査で岸田内閣の支持率が、政権発足以降、最低の26.1%になったことが明らかになった。この結果についてどうか?

「収支報告書の記載の修正に納得しないと回答する方が7割だった。多くの人たちが政治資金の問題、さらには経済対策についても納得していないという表れだ。修正するだけでは到底納得できないはずで、政権も構造的な問題に手を付けたほうがいいのではないか」

――減税なども打ち出していたが

「減税や給付など、生活者にとって嬉しい政策を打ち出した時、支持率は上がりがちである。しかし、岸田政権でそうならないということは、有権者や生活者がもはや政権の『約束』を信頼していないということである。これは政治不信の一つの表れだ。回復は容易ではない」

(『ABEMAヒルズ』より)

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