“漫画の神様”手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』が生成AIで蘇った。そのプロジェクトに参加した慶応義塾大学の栗原聡教授が「AIと人間の共存」について見解を語った。
栗原教授は、プロジェクトの背景について「元々は2020年に同じようなプロジェクトを行っていたが、その時は生成AIがなかったため、ほとんどが人による作業だった。その後、『人の創造性を人工知能がサポートする』という観点から、再度プロジェクトを立ち上げた」と説明。ブラック・ジャックを選んだ理由については「皆が知っているキャラクターで、ちょっとでも違えば『これは違う』と怒られる。どこまで我々が迫れるかのチャレンジをするために選んだ」とコメントした。
続けて栗原教授は、AIによる漫画制作の難しさについて次のように語る。
「AIに学習させると言ってもAIが自ら漫画を読んで理解できるわけではない。そこまでの技術にまだ到達していないからだ。なので、まずドラマからノベライズを作るように、人が背景や状況説明を作った。つまり、ブラック・ジャックの漫画を見て、人が小説版に直した。
一方、文字にしてもAIは『小説』を理解することはできない。そこからさらに、この物語はどういった展開で、主人公同士はどんな関係だったかなど、物語の“読解問題”を解いていく。そうして文字にしたものを、人工知能に教え込むことでようやく動く。まだまだ裏では人がやってる仕事量が半端ないというのが現状だ」
また、AIが作品を生成する際の特性について「クセがあればあるほどやりやすい」と明かす。
「可もなく不可もなくより、明らかな“クセ”があるほうがやりやすい。『アイデンティティ』が確立されている作家は(人を惹きつける)個性がある。そういうものが機械にとってもやりやすい」
最後に、栗原教授はAIが人間の創造性をサポートする未来についての見解を述べた。
「“想像する”ことはまだまだ人間にしかできないと言ってもいいが、生成AIには無限と言ってもいいほど、様々な人の知識や考えが詰め込まれている。自分にはない発想を得るためのツールとして見ることができるのではないか。気づきや大量のアイデアを与えてくれればそれを元に考えることができる。
ヨーロッパなどは生成AIに対してかなり抵抗感がある地域だ。でも、ドラえもんがいる日本なら受け入れることができると思った。よく言われるのは『日本が大きな実験台となる』ということ。日本ならば、AIと一緒に生活する社会を想像できるのではないかと思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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本記事は自動文字起こしツールや生成AIを利用していますが、編集部の確認を経て公開しています。