【MLB・練習試合】LG4-5パドレス(3月18日/ソウル)
ドジャース大谷翔平投手ならどう打つ?そんな興味をそそられる投手がいる。パドレスの右腕・ウォルドロンだ。LGとの練習試合で登板すると、得意のナックルを多投して、打者陣を翻弄。空振り三振に倒れた打者は「Oh…」と呆然するほどだ。一説には51センチも曲がり落ちると言われる“魔球”は、天敵になる危険性十分だ。
スロー映像を見ると、ボールの縫い目がはっきりと見える。ウォルドロンの指で弾かれたボールは、それほど回転せずにキャッチャーのミットへと向かっていく。120キロ前後の球速で、キャッチャーに届くまでいくつもの空気抵抗を受けると、ボールは右へ左へと揺れ動き、そして重み分だけ落下する。ただし回転が効いた変化球ではないため、急激に勢いを失うようにスッと落ちることもあれば、そのままスーッと入ってくることもある。実に厄介極まりない。それがナックルだ。
扱いが難しいため、メジャーでもほぼ使い手がいなくなっていたところ、昨年6月にメジャー昇格を果たしたウォルドロンが、ナックルを武器にブレイク。今季もパドレス投手陣の中では貴重な戦力として数えられ、韓国遠征にも帯同してLG戦で登板した。
象徴的だったのは4回1死一塁の場面。打席にはLGの4番・ディーンを迎えたが、カウント1-2と追い込んでから投げたナックルは、真ん中高めのボールゾーン付近から揺れ落ちるようにしてストライクゾーンへ。ディーンもなんとか飛ばしてやろうとフルスイングしたが、ボールとはまるで違うところを空振りしてしまい、直後には顔をしかめることになった。
160キロを超えるスピードボールでもパワーで弾き返し、落ちる変化球でも膝を折りながらホームランを打てる大谷だが、使い手が減ったことで目にする機会もグッと減ったナックルはどうか。パドレスはドジャースと同じナ・リーグ西地区だけに、地区優勝を争う大事な場面でウォルドロンが大谷封じに登場する、そんな未来があるかもしれない。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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