＜大相撲三月場所＞◇十四日目◇23日◇大阪・エディオンアリーナ
千秋楽での三役復帰に望みをつないだか…に思われた宇良渾身の土俵際の大逆転劇。ご当所だけに館内大いに沸いたが、物言いがつき雰囲気が一変。髷を掴んでの反則負けがアナウンスされると、館内は騒然。そんな中、渾身のドヤ顔を見せた宇良が無念さを押し殺して披露した“深々お辞儀”に「宇良さすが」「宇良ちゃん残念」「技はすごかった」など称賛と激励が相次ぐ一幕があった。
前頭筆頭・宇良（木瀬）が前頭四枚目・平戸海（境川）と激突。土俵際で打った起死回生の豪快な下手投げで7勝7敗の五分に星を戻し、千秋楽での三役復帰に望みをつないだかに思われた一番は、物言いによる反則裁定で負け越しという思わぬ結果となった。
「行司軍配は宇良に上がりましたが、宇良が投げを打った際に、髷を掴んでいたのではと物言いがつき、協議した結果、宇良に髷を掴む反則があり、平戸海の勝ちと致します」
館内にアナウンスが行われると、宇良ファンが多く詰めかけた館内ではブーイングが起こり、土俵下で協議結果を聞いた宇良は一瞬「おっ」という様子でヒザを折り曲げる面白リアクションを見せたが、土俵上に上がると深々と一礼。さらに、花道を下がる際にも、再度、土俵に向かって深々とお辞儀をして支度部屋に下がっていった。
三役復帰に望みをつなぐために、どうしても勝ちたかったのは誰よりも宇良本人。それでも、騒然となる館内の中で結果を受け入れ、淡々といつものように「礼に始まり礼に終わる」精神を体現した宇良に「宇良さすが」「切り替え早い」など称賛の声が、一方では「宇良ちゃん残念」「技はすごかった」など激励の声も相次いで寄せられた。（ABEMA／大相撲チャンネル）
