競技最終日を迎えたWRC(世界ラリー選手権)ラウンド4「クロアチア・ラリー」。前日までトップを快走していたヒョンデのティエリー・ヌービルが、沿道の木に激突する派手なクラッシュを演じた。
クロアチア・ラリーは、首都ザグレブ周辺に設置されたオールターマック(舗装路)のコースで行われる注目の一戦。コースは非常に幅が短く、舗装路とはいえ砂利や砂が多く滑りやすい。そんななか競技3日目となるデイ3は、合計4つのステージで行われた。
そして、この日2番目のSS(スペシャル・ステージ)18「ザゴルスカ・セラークムロベツ」でアクシデントは起きた。ステージのなかでも特に木々がうっそうとしたあたり、これから左コーナーに入ろうとした際に、ヒョンデ i20 N ラリー1 ハイブリッドのボディ右リアが横滑りしてコースアウトしかける。
しかし、ここはコース幅が狭いクロアチア。コースアウトどころか、沿道にあった木の幹にボディサイドを当て、マシンはそのまま停車してしまう。オンボード映像で見たかぎり、車体は大きく左側に傾き横転しそうなほどで、その後、脱出にもすこし時間がかかってしまう。
なんとか林地帯から抜け出し、つづく民家エリアを颯爽と走り抜けるヌービルの姿が映し出されてはいるが、マシンをよく見るとダメージは大きく、右側のフロント&リアフェンダーがはぎ取れ、リアウイングまで破損してしまっている。そのままサービスパークまで自走で戻ることができたものの、曲がったボディパネルはタイヤに触れるほどひん曲がってしまっていた。
この激しくも儚いアクシデントを見た視聴者からは、「激しくヒット」、「ダウンフォース激減」、「ぼろぼろ。。。」と嘆く声や、エルフィン・エバンス(トヨタ)もSS18でスピンを喫したことから、「魔のSS18」といったコメントまで見られた。
結果、ヌービルのタイムはこのSS18で7位。DAY2が終わった時点で、ヌービルは総合一位だったが、このSSで状況は一変し、一気に3位にまで順位を落としてしまった。これで優勝を逃すことを悟ったのか、車内の乗員を映すインカー映像は、冷静さを失い自らに怒るヌービルの姿も捉えている。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)