GR スープラとシビックによるサイドバイサイドの激しいバトルが勃発。一進一退の攻防でオーバーテイクに成功したかに見えた次の瞬間、マシンがコース外にはみ出す波乱のひと幕が起きた。
5月4日、史上初の「3時間レース」フォーマットのもと、富士スピードウェイで開催されたスーパーGT 第2戦決勝。GT500クラスでは、au TOM'Sの坪井翔(#36 GR Supra)とSTANLEYの山本尚貴(#100 CIVIC TYPE R-GT)による激しいコーナーバトルが展開された。
レースは31周目、36号車の坪井はストレートから“TGRコーナー”への進入で100号車にアタックを仕掛けた。しかし、勢いよくコーナーに飛び込んだものの、ブレーキングで突っ込みすぎて大きく膨らんでしまい、オーバーテイクならず。
だが、バトルはまだ終わらない。36号車はすぐさま100号車に並びかけ、次の“コカコーラコーナー”で再び仕掛けた。アウト側から進入し、36号車の前に出たかに見えた100号車の山本だったが、ワイドに膨らんでしまい、コース外に飛び出した。幸いマシンに何事もなく、即座にコースへ復帰したものの、その隙に36号車にオーバーテイクを許した。
思わぬ形での決着に、解説を務めたレーシングドライバーの光貞秀俊、本山哲も「あぁ…」と呆然。一方、ファンは「キター!」「坪井調子いいなあ」と、年間優勝を果たした昨シーズンに続いて、今季も第1戦から好調が続く坪井の走りに魅了されていた。
バトルを制した36号車は、その後も順調な走りを見せて4位でフィニッシュ。表彰台は逃したものの、サクセスウェイトで車両最低重量が他車両より10kg以上も増えているハンデがあるにもかかわらず、堅実な走りを見せた。
36号車は、第3戦(鈴鹿サーキット開催)も最重量のサクセスウェイトでの挑戦が待ち受けている。“昨シーズン王者”の意地をどこまで見せてくれるのか、要注目だ。
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)