■小学3年生から始まった父親の性的虐待「自分が共犯者のような感覚に」
塚原たえさん(52)が見せてくれたのは、中学2年生ごろに父親と撮った写真。体を寄せあう仲睦まじい親子に見えるが、実は性的虐待を受けていた。「父親が覆い被さってきて、痛い・苦しい・気持ち悪いが混ざり、苦痛だった」。虐待は8歳ごろから始まり、弟も被害にあっていた。
さらに、「私が初めて被害にあった時、母は隣で笑っていた」。母親もDV被害を受け、中絶を11回していた。「両親は私が小学生の時、母子扶養手当を目当てに戸籍上は離婚して、本当ならば“母親と子どもだけの家”に父親がいた。何度も蒸発を繰り返した母親に『なぜ助けてくれなかったのか』と聞くと、『怖かったから』と」。虐待は16歳まで続いていた。
性被害を受けても、子どもたちの相談相手がいない現状もある。内閣府の「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果」によると、「誰にも相談できなかった」が52.1%と最多で、「友人・知人」が30.5%、「家族(親戚)」が14.4%、「学校関係者」が6.6%だった。
小学3年生から始まった父親の性的虐待「自分が共犯者のような感覚に」

