■心理カウンセラーが指摘する「親子共依存」の弊害

 父と娘が大の仲良し。これだけ見れば、理想的な親子関係にも見えるが、度を過ぎた場合には弊害も起こり得る。それが「親子共依存」だ。父娘のケースとしては「常に父親の目を気にして生活」「失敗を恐れ意思決定ができなくなる」「自立心が養われない」「自己肯定感が低くなる」「父親とパートナーを常に比較する」などが挙げられる。心理カウンセラーの江崎英子氏は「いろいろ悩みを抱えている人が多いのも確か。彼氏ができた時に、父に相談して、その価値観になってしまうと、彼氏から違うことを言われた時に『冷たい』『私を思ってくれない』など、人間関係で悩むこともある。共依存の場合は、彼氏や結婚相手が来た時に父がやたら文句を言って、なかなかうまくいかないこともある」と事例も紹介した。父との関係が強くなりすぎたばかりに、多様性を受け入れられず価値観の幅が狭まってしまうケースも出てくるという。

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■親子の適度な距離感とは

 この親子共依存について、かずみさんは「(当てはまるところは)全然ない。自分の意見ははっきり言う。父親に意見をもらっても、自分の考えを練り込ませて、父のことは言わずに彼氏にきちんと伝える。父とはやはり親子であっても違う人間なので、私は私の考えがあり、父の考えもある。それが1と1で足して2になれば、また新しい意見が生まれるのではないか。依存したりとか、父親と彼氏とを比べることはない」と否定した。また、やすおさんも「不安は全然ない、彼女は自立している。いろいろな形の親子があってもいい。困った時に父親になればいいだけで、父親像を押し付けることもしない。突き放したこともある」と、迷いなどもないようだ。

 今回の親子のように悩みがないケースもあるが、江崎氏によれば、父親離れできていない子どもの特徴として「幼いころから何をするにもどこに行くにも親が常についてくる」「叱られた経験が乏しい」「父親の好み 望む通りに着飾ったり勉強など取り組む」などが紹介された。最も身近な人間関係である“親子”で学んだ距離感が、他人と接した時と大きく異なることでの戸惑いも生じるようだ。

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