将棋日本シリーズJTプロ公式戦の1回戦第3局が7月20日、石川県金沢市の「石川県産業展示館」で行われ、丸山忠久九段(53)と菅井竜也八段(32)が対局を開始した。過去2度の優勝経験を持つ丸山九段と準優勝1回の菅井八段が1回戦で激突。注目の対局は、振り駒で丸山九段の先手番に決まった。
丸山九段は、1990年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組:25期)、順位戦B級2組(A級以上:14期)。タイトルは名人2期、棋王1期の計3期で、棋戦優勝は前年度の銀河戦など計13回。居飛車党で得意戦法は角換わり、中でも後手番からの一手損角換わりはスペシャリストと呼ばれるほど徹底して指しこなす。JT杯は、1999年と2001年の2度優勝。3年ぶり22回目の出場となった今期は、まずは初戦突破を狙う。
菅井八段は、2010年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組:1期)、順位戦A級(A級:4期)。振り飛車党のエース棋士で、2017年度の第58期王位戦で初戴冠。平成生まれ初のタイトルホルダーとなった。2023年度は、叡王戦五番勝負と王将戦七番勝負の2つのタイトル戦に挑戦。いずれも藤井七冠に阻まれタイトル奪取には至らなかったが、振り飛車の可能性と自身の存在感を改めて示した。JT杯は3年連続6回目の出場。ベテラン強豪との1回戦を制し、2回戦に駒を進めたい。
両者の公式戦対戦は7局あり、丸山九段の1勝以降、菅井八段が6連勝中。直近の対戦は2018年10月に行われた第39回日本シリーズJT杯準決勝で、約6年ぶりの対戦となった。本局の勝者は、2回戦に進出し、9月14日の熊本大会で広瀬章人九段(37)と対戦する。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。前年大会は藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖)が決勝戦で糸谷哲郎八段を破り2連覇を達成した。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)