■男性の“逃げ得”なぜ? 横井さん「息子に関わってほしくない。その背中は見せられない」

【写真・画像】15歳で母に…22歳の今聞く“若すぎる出産” 「私はうまくいっているほう」子育ての苦労と必要な支援 男性側が“逃げ得”な実情「変わってほしい」 6枚目
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 横井さんが今回の取材で初めて明かしてくれたことがある。「妊娠の原因は、無理やりだった。『できちゃうよ、どうするの?』とリスクを伝えていたが、相手は『大丈夫っしょ。産めばいいじゃん』とわかってくれなかった」。その話はまだ母親に伝えていないという。「ただでさえ娘が気づかずに妊娠してしまったというところで、また傷つけるのは心苦しい」。

 責任を考えて出産を決断した裏で、男性の「逃げる選択」は許されている実情。今回、経緯を明かしたのは「前回出演後に『無理やりされた』という相談が多くあった。自分も一緒で、そのことを伝えたいと思った」のが理由だ。

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 横井さんは「女性の『嫌だ』はリスクを考えての言葉だと思う。男性は考えていないのか、教えてもらっていないのか。相手とは同じ中学校だったが、ちゃんと性教育を受けることはなかった。教わっていれば防げたのかもしれない」と疑問を呈する。

 ただ、「相手は責任を取りたくなかったのだと思う。もう関わってほしくないし、息子にその背中は見せられない」と指摘。息子から「パパはいるの?」と聞かれることもあるそうだが、「『いない』と答えている。性教育を絵本で始めていて、『パパとママがいないと僕は生まれないよね』と聞かれたら、『パパはいるね。でも幸希のところにはいないね』とちゃんと話す」と明かした。

 責任をとる形のひとつに「養育費」があるが、受け取るハードルは高く、権利を得ても「逃げ得」となる可能性もある。そもそも子どもを「認知」してもらうことが必要で、認知・養育費と2回の裁判をしなければならない。また、不払い自体には罰則がなく、金銭的余裕がなく弁護士などに頼めないケースも珍しくない。厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、養育費を受けたことがない家庭は、母子家庭が56.9%、父子家庭が85.9%となっている。

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 横井さんも「裁判には時間やお金、労力がかかるが、全てをかけても確実にお金が得られるわけではない。簡単に逃げられてしまう現状があり、それを防ぐ仕組みを作ってほしい」と訴える。

 そんな中、自身が表に出る意義について、「公に話せる人は少ないし、そもそも親にも言えないという子からDMをもらう。そういう子たちのために動いているので、どんどん来てほしい。言いづらい環境がもっと変わってほしい」と語った。(『ABEMA Prime』より)

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“15歳の母”横井桃花さん、17歳(2020年)取材時の様子
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