10人近くの出馬が取り沙汰され、乱戦必至の総裁選。こうした中、ハードルとなるのが20人の「推薦人」の確保だ。
事実上、派閥なき総裁選になっていることに加え、推薦した相手が敗れた際にはリスクもあるため慎重になる議員も少なくないからだ。
そんな状況下で特に20人の推薦人集めに“四苦八苦”しているのが女性陣だ。
上川陽子外務大臣は岸田総理にも想いを伝えて動いているが、同じ岸田派に所属していた林芳正官房長官が出馬に向けて動いている。岸田派のメンバーは基本的にまとまって林氏を押す方向で動いているため上川氏の推薦人確保は厳しい状況にあるとみられる。こうした中、上川氏は自ら電話をかけるなど、推薦人確保に奔走する様子をSNSに投稿している。
高市早苗経済安保担当大臣は後ろ盾だった安倍元総理が亡くなったことに加えて若手保守のホープである小林鷹之氏の出馬によって一気に推薦人集めが厳しくなっている。
前回出馬した野田聖子元総務大臣も今回は推薦人集めにかなり苦労しているという。永田町というまだまだ男社会の中で女性議員が仲間づくりをする難しさがある可能性がある。
この状況にダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は「『女性だから』集めづらいのか? 男性議員の中にも推薦人集めに苦労しているという評判が漏れ伝わってくる人もいるので、推薦人集めにどこまで性別が関係しているのかは考える必要がある」とした上で次のように述べた。
「自民党の衆院議員の女性比率は10%を切っている。仮に10人の総裁選候補のなかに女性が1人もいなかったとしても、それは自民党の実態を正確に反映しているだけだと言えなくもない。ただ当然、1人も女性候補がいなくていいんですか?という議論はあるだろうし、国民からの見え方も意識する必要があるのではないか」
「総裁候補の数という『出口』の段階で、数合わせで男女半々にしようと取り繕うのは無理がある。本質は、衆院議員に女性が少ないという『入口』の問題だ。そもそも、女性が国会議員になろうと思えない社会状況がある。せっかく立候補しても、有権者からの“票ハラスメント”や、ストーキングなどの被害を受けることもある。前回の都知事選でも、小池氏や蓮舫氏が脅迫被害に遭った」
「加えて、男性社会に入っていく難しさ、大変さもあるだろう。『身も心も捧げて、ワークライフバランスがガタガタになっても国民に尽くせ』と言われたときに、そこまでして議員になろうと思える女性がどれだけいるのか」
「自民党もこのままではマズいとは考えていて、女性国会議員の比率を10年で30%に引き上げると言っている。この目標自体も甘く、本来なら50%を目指すべきだ。将来、総裁選をやった時に『結果として』男女半々になったという状況になれば理想的で、そのためにも今から『入口』の環境整備を進めていく必要がある」
(『ABEMAヒルズ』より)
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