【WRC】第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ(9月8日/デイ3)
最終日の最終ステージでトップドライバーがまさかのクラッシュ。WRC(世界ラリー選手権)第10戦、ラリー・ギリシャは波乱の展開となった。
ラリー・ギリシャといえば、長い歴史を誇る伝統のラリーで、大きな岩や石が路面に多く見られる、かなり荒れた路面の「ラフグラベルラリー」だ。2024年も競技3日目を迎えた時点で、トップカテゴリーを走る9台のマシンのうち、なんと8台がアクシデントに見舞われていた。
前戦フィンランドで優勝を飾ったトヨタのセバスチャン・オジエは、ここギリシャでマシントラブルに見舞われながらも、ベテランの貫禄を見せつけて2日目終了時点で3位に付けていた。同じトヨタのエバンスと勝田が振るわなかったなか孤軍奮闘である。
しかし最終ステージ、ここを制すればボーナスポイントがもらえる「パワーステージ」SS15を走行中、マシンがひっくり返る大クラッシュを喫してしまう。速度域の高い右コーナーで、マシンをインに寄せ過ぎてしまい、イン側の深みにフロントタイヤを引っ掛けてしまった。
マシンはひっくり返り、中継では割れたフロントガラスが映し出された。この車載映像が流れた瞬間、「あぁ~オジエ!」「嘘だ」「ありえない」と、思わず実況陣が叫んでしまうほどのアクシデント。視聴者からも「なんてこった」「ひっくり返った」「まじかよ・・・」などの反響が寄せられるなか、オジエはリタイアとなった。
WRC通算8度のチャンピオン獲得経験を持つ、現代最高の名手が、なんと最後の最後で……という、ファンや観客だけでなく、現場スタッフでさえも騒然とする、劇的な幕切れとなってしまった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)