【WRC】第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ(9月7日/デイ2)
ギリシャを舞台に世界ラリー選手権(WRC)第10戦の競技2日目が行われ、タイヤをバーストさせながら走り続けたベテランドライバーの決死の姿が注目を集めている。
ラリー・ギリシャは例年荒れた路面が話題になるが、今大会もSS8時点でアクシデントに遭っていないマシンのほうが少ない状態。ダニエル・ソルド(ヒョンデ)は2022年、2023年に連続3位と、ここギリシャを得意とするドライバーで、SS9開始時点で総合トップに立っていた。
しかし、そんなソルドも、ついにSS9でギリシャの魔物に捕まってしまう。中継が走行中のソルドの車内を捉えると、ホコリまみれで白っぽくなっている。この時点で右リアタイヤにトラブルを抱えていたようで、次に上空からのカメラがヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドを映された瞬間、右のリアタイヤがバラバラに弾け飛ぶ瞬間も映し出された。
しかし、フィニッシュまであと5キロ程度ということで、ソルドはその状態のまま決死の走行を続ける。タイムはどんどん遅れていき、右リア周辺のパーツがボロボロになるなど、車体は刻々とダメージを溜めていく。横からの映像では、タイヤのゴムの部分がなく、ホイールだけで走っているように見える。
この様子を観ていた視聴者からは、「げげっ」「ボロボロ」「すごい瞬間を見た」「何処まで落ちる」「右後ろなくなってるww」「三輪状態」「でも結構スピード出してるなw」「リエゾンはむりだな」といった悲観的なコメントが並んだ。
解説担当のピエール北川氏によれば、「ホイールだけで走っていると、当然サスペンションにも影響がある。サスペンションを付けているボディそのものにもストレスがある。次に二次的三次的に壊れてくるパーツもあるということで、あまり今はアグレッシブに行かないほうがいい」とのことだったが、ソルドは意地の走りでフィニッシュ。
マシンを降りたソルドの顔はホコリとドロまみれ。憮然とした表情で右リアを確認し、頭を抱えるような仕草をしながらインタビュアーを振り切ってまたマシンに乗り込むと、ソルドのマシンは何事もなかったかのようにサービスへ向けて走り去っていった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)