【WRC】第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ(9月7日/デイ2)
長い歴史と伝統を誇るグラベル(未舗装路)ラリーで、チャンピオン獲得経験もある世界屈指のドライバーが、同一ステージ内で2度パンクに見舞われる珍しいシーンが見られた。
ヒョンデチームのオィット・タナックは、前戦ラリー・フィンランド終了時点でドライバーズランキング2位。かつてドライバーズチャンピオンも獲得したことがあるベテランならではの経験を活かした走りは健在だ。ここラリー・ギリシャでもデイ1終了時点でトップに立っていた。
競技2日目は、6つのステージで行われる長丁場ながら、サービスの設定がなく、整備できるのは簡易的な作業のみ。そんな状況下で迎えた朝一番のSS7で、タナックの操るヒョンデ i20 Nラリー1ハイブリッドはギリシャ名物のラフロードの影響もあってか、タイヤをパンクさせてしまう。
解説のピエール北川氏が、「早いうちに1本タイヤを交換して走り出したんですが、またもやパンクしてしまった」と語り、映像にはタナックがマシンを降りてタイヤ交換に励む姿が映し出された。タイヤ交換後、必死の表情で走行しているタナックの表情が映し出され、さらに今度はマシンをコース左側へ停車して、またもタイヤ交換作業を強いられている姿が配信される。北川氏は、「クルマには1本ないし2本のスペアタイヤを積むというルールがあるんですが、それを使い果たしてしまった」と説明している。
SS7の総距離は28.67キロ。この区間内で2度もパンクが起きるという非常にレアなケースに遭遇してしまったタナック。このアクシデントに負けまいと必死の表情で運転する彼の姿に同情を禁じ得ない。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)