スパイでいるより、父であれ！「SPY×FAMILY」アーニャの涙にロイドがキレた ぶ厚い机を一撃でぶっ壊した超強烈パンチ

　コメディ要素の強い「SPY×FAMILY」にあって、かりそめの家族ながら強い愛を感じさせ視聴者の胸を打ったシーンがある。それは第4話、家族を傷つけられたロイド・フォージャー（CV：江口拓也）がスパイとしての任務があるにもかかわらず怒りを抑えられなかった場面だ。このときロイドは間違いなく立派な父親だった。

【映像】ぶ厚い机を一撃で破壊するロイド（19分1秒ごろ～）

　アニメ「SPY×FAMILY」は、「少年ジャンプ＋」（集英社）にて連載中の遠藤達哉氏によるシリーズ累計発行部数3500万部突破の同名漫画が原作。2022年に放送されたTVアニメSeason1、2023年に放送されたTVアニメSeason2は大好評のうちに幕を閉じ、同年12月に全国公開された「劇場版SPY×FAMILY CODE: White」は公開3日で興行収入12億円を突破。2024年3月31日時点で興行収入62.6億円、観客動員数464万人を超える大ヒットを記録した。また、TVアニメSeason3の制作も決定している。

　ロイドは、西国の情報局対東課〈WISE〉に所属する凄腕スパイで、コードネームは〈黄昏（たそがれ）〉。任務のためにアーニャ（CV：種崎敦美）を養子に迎え、ヨル（CV：早見沙織）と偽装結婚し家族を演じている。冷静沈着な性格だが、意外と情に厚い一面がある。

　ロイドの任務は、用心深く表舞台に姿を現さない標的の動向を探るため、標的が唯一顔を出すという息子が通う名門校の懇親会に出ること。そのために家族をつくり、子供をその名門・イーデン校に通わせる必要があった。第4話でロイド、ヨル、アーニャのフォージャー一家はイーデン校入学のための面接試験に臨んだ。

　面接は、幸せそうな家族を妬む面接官の1人がロイドとヨルに無礼な発言を繰り返す展開となる。子連れ再婚のロイドをコブ付きと揶揄し、料理が不得意なヨルをあからさまに馬鹿にする面接官。そんな中、別の面接官がアーニャに「お父さんお母さんに点数をつけるとしたら何点かな？」と質問し、アーニャが「100てんまんてんです。ちちもははもおもしろくてだいすきです」と回答する一幕もあった。

　しかしここでも件の失礼な面接官が「じゃあ今のママと前のママ、どっちが高得点だ？」と意地悪な質問をした。アーニャは孤児院から引き取った少女であり、実の両親の情報はない。孤児院に行ってからも転々と里親が変わる経験もしている。ロイドは「質問の変更をお願いします」と抗議したが、面接官は「だめだ。答えなきゃ減点だ」と受け付けない。アーニャは残酷な質問に「ママ……」と泣き出してしまっていた。

　「あんまりです!!」と声をあげたヨルを「ヨルさん落ち着いて」となだめながらロイドは（任務のためには我慢だ……）と自分に言い聞かせていた。しかし、（中傷されたところでそれがどうした。しょせんまがい物の家族。何ということもない）という内心とは裏腹に、ロイドの腹わたは煮えくり返っていたよう。（我慢だ黄昏）と言いながら、握った拳で目の前のテーブルを叩き壊してしまった。そして「子どもの気持ちを軽んじるのが貴校の教育理念なのでしたら、選ぶ学校を間違えました」ときっぱりと言い切り、一家はその場を後にした。

　任務の遂行よりも大事なものがあることを示したロイドに、心を打たれた視聴者は多い。放送当時、ネット上には「名シーンすぎる……!!子どものために怒る親でしかなかった……！」「面接の内容は100点満点じゃなくても、家族の絆は100点満点でした」「合格よりも娘の気持ちを優先する家族像がまじで温かい」と絶賛の声が続出していた。

※種崎敦美の「崎」は、正式にはたつさきの字
(C)遠藤達哉／集英社・SPY×FAMILY製作委員会

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