まさに異次元。我々の予想を遥かに上回るペースでホームランと盗塁を量産し、ドジャースの大谷翔平が史上初の「50-50」を達成。その試合で放った49号、50号アーチは大谷の進化を象徴する一発だった。
日本時間9月24日時点で本塁打・盗塁を「53-55」まで伸ばした大谷。直近7戦で6本塁打・7盗塁と驚異的なペースで前人未到の記録を更新し続けているが、本塁打増加のポイントの一つが“変化球”への対応だ。「50-50」を達成した日本時間20日の試合でも3本のホームラン中2本が速球以外を捉えたもの。特にスライダーを捉えた49号は、打球速度111.2マイル(約179キロ)、飛距離438フィート(約133.5メートル)で、中継画面から見切れるほどの特大アーチだった。
これまで大谷は、フォーシーム、ツーシーム、カットボールの“速球”に対して高い確率で強い打球を打てていた一方、データ上ではそれ以外の“変化球”に対しては相対的に苦しめられていた。大谷の球種別ハードヒット(打球速度が153キロ以上の打球)割合は、2022年が速球・変化球=59.7%・40.5%。2023年が同60.4%・48.4%だった。
しかし、今季ここまでの球種別ハードヒット割合は、速球・変化球=60.5%・58.8%と、変化球で10ポイント以上アップし、速球と変わらない確率で強い打球を放っている。結果として変化球を打った本塁打数も昨季から10本以上増加し、速球・変化球によらずスタンドに運ぶことができるようになっている。変化球に対する打撃成績全般を見ても、今季は打率.299、32本塁打、長打率.715と、昨季の同.247、21本、.556に対して大幅に向上している。
いよいよタイトル争いも佳境を迎えているが、残り試合でどこまで本塁打数を伸ばせるか。観るものをワクワクさせる前人未到への挑戦は続く。
※日本時間2024年9月24日時点のデータ(協力:データスタジアム)
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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