原作の「ドラゴンボール」が週刊少年ジャンプ(集英社)での連載を終了し、アニメ「ドラゴンボールZ」も最終回を迎えた当時、“とうとうドラゴンボールも終わってしまうのか”と喪失感に包まれたファンは多い。しかし、実は「ドラゴンボールZ」終了の翌週にはオリジナルストーリーの「ドラゴンボールGT」がスタートしている。
【映像】パンとチチに悟空が嫌われてしまった瞬間(20分51秒ごろ~)
今でも根強いファンがいる一方、「改」や「超」の登場で物語自体の印象は薄くなってしまったという人も少なくない「ドラゴンボールGT」。第1話は、孫悟空(CV:野沢雅子)が久々に家に帰ろうとしたら散々な目にあってしまったという、ちょっとかわいそうなスタートだった。
先代の神がピッコロ(CV:古川登志夫)と分離する前に作ったと言われている“究極のドラゴンボール”の存在を突き止め、天界へとやってきたピラフ(CV:千葉繫)一味。しかし天界では悟空がウーブ(CV:私市淳)と卒業試験という名のバトルを繰り広げた直後だった。
「何年もけえってねえから、チチのやつ怒ってっかもしんねえし」と悟空が家路に着こうとした瞬間、ピラフが神龍を呼び出した。タイミングが悪いのは今も昔も変わらず、悟空に見つかってしまったピラフ一味はなんとかごまかそうとしたもののごまかせず、「アイツが……こーんなチビッ子のときには捕まえられたのに……」と愚痴をこぼした。
すると、それを聞いていた赤い神龍はそれをピラフの願いだと勘違いしてしまう。そして「承知した」と答えると悟空を小さくしてしまった。シリーズ初期以来となる懐かしいサイズになってしまった悟空に、現在の地球の神デンデ(CV:結城比呂)や界王さま(CV:八奈見乗児)も大慌てだったが、当の本人は「ま、いいやこのままでも」と意に介さずそのまま帰ってしまった。
悟空は寄り道した先で運悪く銀行強盗が発生したことがきっかけでパン(CV:皆口裕子)とまさかの再会を果たす。パンは悟空の変貌ぶりに「あんたが悟空おじいちゃんなの!?」と仰天すると、あんなに大好きだったはずなのに「おじいちゃんが私より小さいなんて最低!」と普通の人ならズシリとくるような辛い一言を放った。
チチ(CV:渡辺菜生子)も心配するどころか「ただでさえ地球人のオラは早く老けちまうだに、きっとこれは悟空さの嫌がらせだべ!」と大泣きする始末……。数年ぶりの家族との再会で、ただただ嫌われてしまうだけの悟空の姿を見てしまったら、いくら自由に生きてきたとはいえさすがに“かわいそう”だと視聴者も同情を禁じ得なかった初回スタートだった。
アニメ「ドラゴンボールGT」はアニメ「ドラゴンボールZ」の続編にあたるオリジナルストーリーとして1996年2月から1997年11月まで放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット作で、「Z」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日より放送開始した。
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