■有給を取らない、しかし労働生産性が低い日本人
1時間あたりの労働生産性の国際比較で、日本は30位の52.3ドル。OECD平均の65.2ドルを下回り、G7では最下位だ(日本生産性本部「労働生産性の国際比較2023」より)。また、有給休暇の取得率(2023年)は、フランスやドイツ、イギリス、アメリカが92%を超えているのに対し、日本は63%(12日/19日)。日本で有給休暇を取得しない理由として、「人手不足で仕事の都合上難しい」(32%)、「緊急時にとっておく」(31%)などがあがっている(Expediaより)。
「休養」を研究する医学博士の片野秀樹氏は、「海外では個人主義が強く、個人的な休みを取りやすい。一方、日本は全体主義の中で、休まずに働くことへの美徳もある」と説明。
また、社会の動きが速い現代では「時間の余白をどう作るか」が重要だという。「余白をどんどん埋めることが美化されるが、それではバランスを取れなくなり、パフォーマンスが出せない。過去に“24時間戦えますか”という言葉があったが、意外と移動中に休んだり、パチンコなんかをして余白を取っていた」と振り返りつつ、「今は1時間おきにミーティングが入るし、デジタルデバイスも普及して余白を取りづらい。自分から積極的に取りにいかないといけない」と警鐘を鳴らした。
薄井氏は、「カレンダーがオンラインで共有され、15分も空いていれば誰かが予定を入れる。共通のコミュニケーションツールで、“作業中”や“会議中”がみんなに見られてしまい、なかなか自分の時間は作れない」と同意した。
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