■あれよという間に両親が施設に「コミュニケーションを取れる場面はあったのに…」
まさにイベントのようなケースを経験したのが、「はあとふるライフサポートケア」代表の後藤知広氏。2017年に80代の両親が介護施設に入所(母:認知症や歩行困難などで要介護4、父:糖尿病などで要介護3)。IT系企業の管理職をしていたが、頻繁な救急搬送で呼び出しを受け、両立が困難になり約半年で離職する。その後、2020年9月から10月にかけて両親が他界。2021年に介護タクシー運転手に転身し、のちに独立開業した。
後悔しているのが、介護の話を両親としなかったこと。母の認知症悪化により介護・治療・葬儀などに本人の意向を反映できなかったほか、年金額を知らず費用の高い施設に入居させたことで貯金が大幅に減少してしまった。後藤氏は「母が認知症になる前、子どもを連れて毎月のように実家で食事をしていた。たくさんコミュニケーションをとる場面はあった」と振り返る。
今回の経産省のイベントについては、「非常にすばらしい。来年からは2025年問題といって、団塊世代が高齢者になる時代がやってくる。団塊ジュニア世代に“将来こうなる可能性がある”と認知度を広めていっていただけたら」と期待を込めた。
親になかなか話し出せない場合に有効だというのが、イベントにも登場したエンディングノート。何かあった時、家族に必要な情報を残すためのノートで、名前や生年月日などの基本情報、連絡先、財産、遺言書の作成有無などを記載する。
後藤氏は「日々を重ねていくうちに考え方も変わっていくと思う。エンディングノートは一回書けば終わりではなくて、何回も書き直していける。生きたい希望を残しておくノートになっているので、ぜひ広まってほしい」と訴えた。
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