■「残業代と労働時間がリンクしていない」
小中高の教員600名におこなった、東洋経済education×ICT「給持法に関する意識調査」(2022年12月)によると、「長時間労働の常態化」「新しい教育や保護者対応など業務の肥大化」「給与面などの処遇」「休暇が取りづらい」などが挙がっている。
「給特法」について、文部科学省は「人材確保のため賃金上昇が必要」として、教職調整額を現行の4%から13%に引き上げる方針だ。一方、財務省は「やりがいの小さい業務の削減を条件」として、教職調整額を段階的に10%にすることを提案。さらに残業代の導入も検討している。
教育問題の研究・啓発活動を行う名古屋大学の内田良氏は、公立校の働き方改革が進まない理由を指摘する。「残業代と労働時間がリンクしていないため、管理職に予算がないのに違法労働させてしまうという焦りがない」のだという。
また、「公立校では違法状態ではなく合法になっている」といい、「いざ残業代を厳しく支払う方向になると、管理職が身構えてしまう。長年蓄積されてきた労働時間と賃金のリンクを抑えるシステムが、教育界には根付いている」と話す。
小林氏は「小学校段階から教科担任制を導入し、『担任は運営に専念した方がいい』という改革が進もうとしている」と説明。しかし、その一方で「根幹の問題には触れられそうにない」とも語った。
西村氏は「教員の労働時間を現状の6〜7割まで下げる必要がある」。イギリスの例を引き合いに「(日本も)国がトップダウンで、これはやってはいけないと示してもらった方がいい」と訴える。これに対し、小林氏は「我々がちゃんと頑張ります」と返答した。
(『ABEMA Prime』より)
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