将棋の第37期竜王戦七番勝負第5局は11月28日、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が前日に封じた50手目が開封され、午前9時すぎに挑戦者・佐々木勇気八段(30)の手番で再開された。
2勝2敗で迎えた天王山の第5局。本局の勝者は、タイトルに“王手”をかけることに。注目の一戦は紀伊の国・和歌山が舞台。対局場は和歌山城が一望でき、情緒ある街並みを臨む“にぎわいの文化交流拠点”「和歌山城ホール」に設けられている。
第5局は、後手の佐々木八段が角筋を止めて雁木模様の出だしとなった。これまでも深い研究で絶対王者を圧倒してきた挑戦者だが、タイトル4連覇を目指す藤井竜王としては絶対に譲れない。本局では、先手から仕掛けて動きを見せた。難解な中盤戦で勝負所と見た佐々木八段も積極的に強く踏み込みを見せたが、居玉とあり神経を使う展開となっている。
対局1日目は、藤井竜王が飛車を引いた局面で指し掛けに。手番の佐々木八段が封じ手に選んだ50手目は、先手の飛車の効きを止める歩の一手だった。ABEMAの中継に出演した久保利明九段(49)は、「自然な一手で飛車の効きは止まるが、(後手は)歩切れになってしまう。その後の進行をどのように考えているか」と印象を語っていた。
激しい展開が予想される第5局を制するのはどちらか。勝てばタイトルに“王手”がかかる注目の一戦から目が離せない。
持ち時間は各8時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)