■メルカリが強化した施策「根本解決にならないが、一歩前進」

ユーザー数と取引総額
拡大する

 メルカリは、出品者が出品し、購入者が購入・支払いをおこなうと、出品者から商品が購入者に配送される。そして、購入者は受け取り評価を行い、出品者に売上金と評価が返ってくる仕組みになっている。

 百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏は、プラットフォームビジネス(特にフリマ)には、一定数の詐欺師がいる前提のもと、「購入者に有利な設計」がされていると説明する。隠語を使い詐欺まがいの出品を行うなど、悪意ある人に有利な脆弱性が存在する。また、買い手側が詐欺しやすい構造もあり、サポートが買い手側寄りで、“返品詐欺”が可能な実態もある。

 アメリカには「プラットフォームビジネスの憲法」のような、通信品位法第230条があるという。「プラットフォームは誤情報や詐欺投稿の責任を負わない、と決められている。大きく育てるための前提として、この法律が存在する」。

 しかしながら、治安の悪いプラットフォームは、利用者から敬遠されてしまう。「運営者はクリーンになるよう努力しないと大きくなれず、バランスが重要だ。メルカリも努力しているが、一定数の詐欺師がいて、防ぎようがなく問題が起きる」と解説する。

 今回メルカリが強化した施策は、大きく3点ある。まずは「お客さまサポートの体制の強化」で、商品回収センターの新規開設により、すり替え・模倣品などの商品回収、商品画像・説明などと商品実物の照合・調査を行う。次に「お客さまへの補償の拡大」では、商品実物の回収・目視確認の実施や、不正な補償受け取りなどに対応する。そして「不正利用者の排除」として、関係当局や警察などとの連携強化や、不正行為を検知するためのAIシステムなどの構築を掲げている。

 しかし、ゆきんこ氏と鈴木氏は、今回の対策を「根本解決にならない」と指摘する。ゆきんこ氏は、「場を提供するだけで関与しない」ではなく、そもそも一括管理システムを構築すべきだと考えている。鈴木氏も「介入する方向に舵を切ったのは大きな変化だが、トラブル時だけ『確認する』と言っているだけで、まだまだ対応策が足りなさすぎる」と語る。

 とはいっても、ゆきんこ氏が「既存ユーザーからしてみると一歩前進だ」、鈴木氏が「出品者がだまされる流行が出てきて、対応するというのは一歩前進だ」と言うように、従来よりも出品者保護は強まっている。

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