痩せている方が糖尿病になりやすい?
痩せによる影響には、月経異常、無月経、不妊、低体重児の出産、骨粗しょう症、糖尿病のリスクなどがある。
上記の「糖尿病」は肥満によるリスクのイメージがあるが、この点について、医学博士で若年女性の痩せ問題を研究している順天堂大学国際教養学部教授の田村好史氏は以下のように説明した。
「日本ではあまり知られていないが、日本人では肥満だけではなくむしろ痩せている人の方が糖尿病になりやすいというデータがある。20代の痩せた女性を100名ほど集めてテストしたところ、標準体重の人よりも痩せている人の方が7倍ほど血糖値が高い人が多いことがわかった。背景を調べてみると『食べる量が少ない』『運動量が少ない』『筋肉量が少ない』という“エネルギー低回転”のタイプのリスクが見えてきた。『痩せていること自体』ではなく、生活習慣としてあまり食べない、あまり動かないことで筋肉が細くなって血糖値が上がりやすくなっていると考えている。どのような体型であっても食べて動くことは大事で、筋肉もつくし、代謝も良くなり、骨も強くなる」
「メタボ」の“逆”の言葉を作る
日本人はなぜこれほどまでに“痩せ願望”が強いのか? この点について田村氏は「70年代は痩せている女性の割合はそこまで高くなかったが、80年代頃からダイエットブームが起こり、今の親世代が『痩せた方がいい』と刷り込まれた。そのため親は悪気なく子どもに『ちょっと痩せた方がいいよ』『スリムでいいね』などと言ってしまい、それがまた連鎖する。これは難しい問題で、テレビや動画を見ることでもそうしたメッセージを無意識に受け取ってしまうのだ」と分析した。
ではどうすればいいのか?
田村氏は教育・定義化・メディアという3点を強調した。
「小学1年生でも痩せたいと思っている子がいる。痩せに関する大量の情報をどう受け流すか、という教育が必要だ」
さらには「言葉で定義する重要性」について、次のように語った。
「以前から痩せのリスクに警鐘を鳴らしているが、一向に減らないのは『危険だ』という明確な定義があまりされなかったからだ。例えば『メタボ』という言葉を通して『太ると危ない』と多くの人が知っているが、痩せる危険性に対する言葉はまだない。これを解決すべく、日本肥満学会でそういう言葉を作るためのワーキンググループが立ち上がって活動を開始している。もしかすると来年や再来年頃にそういった言葉が健康診断などでも聞かれるようになるかもしれない」
最後に田村氏は「『痩せるのは危ない』とリスクを伝えるだけでは通じない点もある」として、メディアの責任について述べた。
「ダイエット産業は非常に大きいが、どこかで立ち止まる必要がある。痩せる以外にも、自分の良いところや輝いているところなど、“新しい美の概念”のようなものをみんなで考えて社会的に提案して周知する必要があるのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)
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