強制退去後、生活していた人々は、どう過ごしているのか。センター周辺の人々に声をかけても応じてもらえないなか、西成に来て30年のIさん(69)が取材に答えてくれた。「30人ぐらい隙間なく寝ていた。今のところ、寝泊まりはこの辺で」。退去された人は、シェルターに入るか、場所を変えて路上生活するかに分かれたという。

 Iさんは強制退去について、「不法占拠しているから仕方ない。長いこと居させてくれた方だ。本当なら冬場の今ごろに死んでいた」と語る。失業後にセンターから土木工事の仕事をもらっていたが、不景気で仕事が減り、路上生活者になった。

 「生活保護が嫌い」だというIさんは、その理由を「人が働いて大変な思いをした税金には抵抗がある」と語る。「できるところまでは自分でやりたい。みんな空き缶拾いや、古本探しをしている」。いまの悩みは「猫ちゃんに、いつまでエサをやれるか」だ。「収入は1日1000円から、多くて2000円。その90%を猫に使っている。なるようになる、仕方ない」。

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 大阪府の吉村洋文知事は、Xで「占有者に自主的退去を求め続け、最高裁判決確定後も半年がすぎました。福祉的措置は勿論とった上での執行です。誰かが責任をもってやらなければなりません」と理解を求めている。

 元東京都知事で元厚労大臣でもある舛添要一氏は、「行政の立場に立っても難しい」との見解を示す。「『人様のお金では嫌だ』と生活保護を受けない、シェルターにも入らない人をどうするか。自由な国だが、ある程度の強制力がいる。生活の面倒を見る方も自由で、そのギャップを埋めるのは難しい」とした。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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