■2023年度は22.9% 17年で4割までいける?
「パリ協定」では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて、2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をすることが目的として掲げられている。日本も1.5度に向けて、「脱炭素」を進めるために火力発電などの割合を減らし、再エネの割合を増やすことが求められているところだ。環境活動家の山本大貴氏は、2040年度に再エネ4~5割という目標に対して「多いように感じる方もいるかとは思うが、世界はすでに再生可能エネルギーを主力電源に進めていく方向。日本の2030年の目標が36~38%。そこから10年あるのに、40%ではほとんど変わらないし、一番差があるところでも10数%。ほとんど再エネを増やさないと受け取られても仕方ない」と述べた。
一方、政策アナリストで元経済産業省の官僚だった石川和男氏は「高すぎて無謀」という意見を持つ。ただし、無理な目標だからこそ『目標』であり、現実的な目標では注目もされず、また予算も取れず規制緩和も進まないという。「CO2削減をするなら、増やすべきは再エネと原子力だ。再エネの4~5割は達成できないが、このくらいやらないと政策資源が投入されない」。達成できない理由については「去年ぐらいまでは、日本全体のエネルギー使用量が減っていた。工場の海外移転や日本の省エネ技術が優れていること、さらに2011年の原発事故以来、翌年からものすごいお金を再エネに投入して『再エネバブル』が起きたことで、再エネの最大比率が上がっていた。ところが去年から半導体工場やデータセンターなどが増え、政府は電力需要が増えるという目標を出した。そうなると、そのエネルギー量は、再生エネルギーでは全く間に合わない。原子力か化石燃料、あるいはその両方を投入しないと、とても間に合わない」と説明した。
起業家・投資家の成田修造氏も、石川氏の意見に沿った。「世界と言うが、世界じゃなくてヨーロッパが作り出したルールに乗せられているだけ。気候変動の考え方もそうだし、自然エネルギーとか脱炭素みたいなムーブメントにお金を投じろ、技術革新をしろというのは、世界の合意というよりヨーロッパが作り出したルール。2011年から2024年までで、電力料金は1.5倍や2倍近くまで上がっている。家計のダメージはみんな痛感している中で、さらに節電ムーブメントみたいなものが起きて、どうなっているのかと国民は怒っている。そういうことが起きている中で、全部再エネにしますと言ったら、電気料金なんて当然跳ね上がるし、電力需要も不安定になる。50%に改善も基本的に厳しいだろうし、そもそもそれを100%に持っていこうという考え方自体にも懐疑的だ」と語った。
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