■再エネでどこまで賄える?

再エネ普及の課題
拡大する

 再エネはさらに推進したいものの、日本自体が求める電力需要に追いつかない。太陽光、洋上風力に続く新たな技術革新が求められるものの、その間を埋めるものとして出てくるのが、やはり原子力だ。ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「将来、何十年か先に大規模な蓄電池が可能になってきたら、再エネで昼間、太陽光で発電したものとか、風が吹いた時に風力で発電したものを貯めておけるが、現状はない。その間のタイムギャップを一体どうするのかという議論が、今のところうまくいっていない。原子力は福島の事故があり、原子力規制委員会ができて、ものすごく厳しい規制がかかっているからなかなか新設できないが、小型モジュール炉みたいな、絶対に事故が起きそうもない技術の開発も進んでいる」と語った。

 原子力の現状については、石川氏が現状を補足した。「日本には(原子炉が)昔54基あった。福島の事故があり、これを33基に減らした。原子力規制委員会は、世界的に見ても非常に厳しいので、なかなか再稼働させない。ただ、技術的にも科学的にも、原子炉1基を再稼働させてしまえば、ものすごく莫大な量の化石燃料を削減できる。大事なのは再エネを増やすのではなく、化石燃料を減らすこと」と述べた。

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