いまやコメンテーターとして知られる宮崎謙介氏は、かつて衆議院議員だった。2012年に31歳で京都3区から出馬して、民主党の泉健太氏を下して初当選した。その後、男性議員として憲政史上初となる育休を取得したが、同じく憲政史上初となる「不倫での議員辞職」となった。
そんな宮崎氏は、2024年11月に行われた兵庫県知事選挙への立候補を考えていたという。では宮崎氏が次に出馬するとすれば、どの自治体の選挙が良いのだろうか。2025年に予定されている選挙は全国で846件あるなか、「選挙ドットコム」編集長の鈴木邦和氏に話を聞いた。
鈴木氏は、7月の参院選が「狙い目だ」と語る。「参院選の全国比例が一番いい。有名人や団体代表が受かりやすい」。7月には東京都議会議員選挙もあるが、宮崎氏の出身地である新宿区は「非常に面白い」という。
そんな中、全国には「無投票になりそうな選挙」もあるそうだ。各地で議員のなり手不足が深刻化して、2023年の統一地方選では、全国373町村のうち、無投票は123町村・33%に及んだ(総務省)。宮崎氏の地元選挙区の一部だった、京都府相楽郡精華町の町議会議員選挙も、前回は無投票だと、鈴木氏は紹介する。
精華町は人口約3万6000人。京都府南部に位置し、大阪や奈良にもアクセスしやすく、学術研究都市として、企業の研究施設も多い。前回の選挙は2021年5月だったが、定数18に対して、立候補者も18人で無投票当選に。1955年の町制施行以来、初めてのことだった。
2025年5月の次回選挙を前に、精華町議会の議長である、三原和久議員に話を聞いた。議会では無投票を深刻に受け止め、住民に「選挙に出て」と呼びかけているが、反応はないという。議員18人は平均約68歳で、月に28万7000円の議員報酬がもらえる。
もし宮崎氏が出るならば、「良いと思う。選挙が盛り上がる」として、「政策の訴え方や作り方を国会議員は持っている。そのノウハウを教えてほしい。最先端の企業も多く、企業PRもしてほしい」と期待を込める。とはいえ、町議会議員への当選には「地元の信頼」が必要だ。「カラオケ大会の審査員や、デイサービスのサンタ役など、マメにやらないと票は入らない」。
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