■震災9日後の救出に“奇跡”と報じられた阿部任さん(30)
東日本大震災の9日後に救出されたことを美談として報道された阿部さん。救出時について「多くの救助隊の方に助けていただいたが、それよりも人数の多いメディアの方がいた」と振り返る。
新聞では助かったことに“奇跡”という文字が使われていた。「周りではたくさんの方々が亡くなって、行方不明の方もたくさんいた。自分だけ奇跡と喜ばれることが、その方たちにも申し訳ない。避難しなかった残念な結果を喜ばれることに、すごくギャップを感じていた」と話す。
また、「当時、救助隊の方のお話を聞いたときに、9日目で救出されたことで現場の士気が上がる場面もあったと伺った。しかし、当時高校生だった私は、理解して励ますような言葉は浮かばなかった。自分のことで精一杯だったと今振り返って思う」と語った。
■美談で終わらせない報道のあり方は?
