■50歳以上のマッチングアプリに注目

物部真一郎氏
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 高齢者向けマッチングサービス「ハハロル」を運営する精神科医の物部真一郎氏は、「シニアがヒーローやヒロインになれる」ことがコンセプトだと説明する。運営しながら学びもあった。「若者のマッチングサービスでは、“いいね”が大量に送られるが、シニア向けでは全く送られない。人によって認知がバラバラで、『好き』『会いたい』『いいね』とグラデーションを付けることで、気軽に送れるようにした」。

 若者向けサービスでは、「今後の家族形成やキャリアを考えて、社会的ステータスが重視される」というが、シニアはそれが最優先ではなく、「どんな人生を送り、それをどう表現できるか。ノリやフィット感が優先度高く、それをしっかり表現しようと思った」と語る。

 利用者は、どういうモチベーションで使うのか。「2000年代前半のデータによると、シニアは男性の方が、女性より結婚したい人が多い」。性的な目的については、「女性で優先順位が高い人は少なく、会話や手をつなぐなど精神面を優先する。男性も『パートナーとの性的行為が重要だ』とする人は40%と、年齢に応じて下がってくる」と解説する。

 マッチングサービスを開発した経緯として、「社会的に孤立した人は、してない人と比べて、1.3倍死にやすい。ヘビースモーカーと同じリスクと言われている、この問題を解決したい」との思いがあった。「婚姻関係は重要だが、頻繁に会うパートナーも重要だ。医療的なゴールは、結婚ではなく、パートナーを見つけることにある」。

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