■「もう少し一緒に長く生活したかった」
誉君の流動食を作る富美さん
誉君の体調が不安定になってきて、予断を許さない日々が続いていた。富美さんは「すごく頑張っているから…つらくないかなとか、気持ち悪いとか、しんどいとか言えないから、無理していないのかなと心配。頑張ってくれているのは、私たちはうれしいけど…。大丈夫かな、無理しているのかな、しんどいよね…」と胸中を語った。
ピアノ演奏をする柚稀君
みんなで迎えたクリスマス・イブの日、柚稀君が「ユー・レイズ・ミー・アップ」をピアノで演奏していた。その様子を撮影する充さんと蒼心君。富美さんの目には涙が溢れていた。
2023年12月27日、誉君は家族に見守られながら16歳の生涯に幕を下ろした。
「今でも笑顔で楽しく、もし足が動かせるようになって、走り回ってくれていたならうれしい。もう少し…もう少し一緒に長く生活したかった」(充さん)
「もう1回、来てくれないかな。もう1回……。そうはいかないよね。半分では分かっている。もう苦しい思いはしていないよねという思いもあるんですけど…」(富美さん)
「自分ができる限りの全部の力を使って、最期まで生き抜く力を教えてくれた」(柚稀君)
蒼心君は、誉君の遺骨が入ったペンダントを身につけるようになったという。「ここにいるから大丈夫。守っていてくださいという気持ち」(蒼心君)
誉君との思い出を語る家族
誉君の写真と生けられた桜を眺め、みんなで過ごした日々を振り返る家族たち。「ほまは、とにかく出掛けるのが好きだったからね」「公園とか風を感じる所が良かった」「目的地はどこでも良くて」。
誉君との“思い出”を生きていく力に──。
(東日本放送制作 テレメンタリー『わが子は誉れ ~老いてゆく男の子と家族の16年~』より)
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