イスラエルとイスラム組織「ハマス」が、停戦と人質解放で同意した。仲介したカタールとアメリカによると、停戦は3段階に分けて行われるという。
第1段階は1月19日からの6週間で、ハマスは人質のうち33人を解放し、イスラエルはガザの人口密集地帯から撤退する。第2段階では、残りの人質全員が解放され、イスラエル軍も完全撤退。恒久的な停戦になるとしている。そして第3段階が、ガザの再建だ。1年3カ月続いたガザ地区への攻撃で、パレスチナ人の死者は4万6000人以上にのぼる。
合意を受けてハマスは、「15カ月以上にわたる勇敢な抵抗の結果だ」と声明を出した。またイスラエルのヘルツォグ大統領も「正しく、重要で必要な動きだ」と合意を支持した。
このタイミングでの停戦合意には、1月20日に就任するアメリカのトランプ次期大統領が影響したと言われている。トランプ氏は「就任前に人質が戻らなければ、中東は地獄のように混乱するだろう。ハマスのためにもならない。地獄の門が開かれることになる」と発言した。
現バイデン政権の政府高官も「バイデン政権の担当者が交渉の細部を詰め、トランプ氏側が合意を急ぐよう圧力をかけた。この役割分担が功を奏した」と評した。トランプ氏自身もSNSで、「この素晴らしい停戦合意は我々が大統領選で歴史的勝利を収めたからこそ実現した」と胸を張っている。
ハマス高官のマフムード・マルダウィ氏は、ANNの取材に対して、「(イスラエルの)ネタニヤフ首相は次期トランプ政権と衝突したくなかったし、怒りを買うのを避けたかったというのが現実だ」との分析を示す。実際にネタニヤフ氏も、バイデン大統領ではなく、真っ先にトランプ氏と電話会談をして、謝意を伝えたという。
1月15日の合意から数時間後、最大都市のガザ市にイスラエル軍の攻撃が相次ぐなど、依然として緊迫状態が続く。また合意前の13日には、イスラエルと対抗するレバノンの親イラン武装組織「ヒズボラ」に対して、イスラエルの国連大使が「イランの支援を受けて力を取り戻し、再武装しようとしている」と批判した。
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