シャア・アズナブル(CV:池田秀一)とセイラ・マス(CV:井上瑤)は実の兄妹だ。しかし、複雑な事情により「機動戦士ガンダム」第2話では敵軍同士という関係で初めて出会うことになった。実の兄とは知らずに銃を構える妹に対して、シャアは一瞬でかなりの距離を詰め、見事に銃を蹴り落した。シャアの動きが3倍速いのはモビルスーツの話だけじゃなかったのか……!?
【映像】シャアが一瞬でセイラとの距離を詰めた瞬間(12分50秒ごろ~)
ジオン公国軍の偵察隊が軍事施設を攻撃した結果、アムロ・レイ(CV:古谷徹)たちが暮らしていたサイド7は壊滅的な被害を受けた。その中で避難民となったセイラは、フラウ・ボゥとともに、逃げ遅れた人々の捜索を行っていた。
一方、シャアはドズル・ザビ中将の命令で、地球連邦軍のV作戦に関わるデータを収集するためにサイド7に侵入。ガンダム関連のパーツを調べているところをセイラに発見されてしまった。
シャアがパーツを手に取ろうと腰を屈めた瞬間、セイラは銃を構えて現れ、シャアに手に持ったパーツを捨てるよう指示した。「勇敢だな。軍人ともゲリラとも思えんが」と冷静に応じながら近づこうとするシャアに対し、セイラは「動くと打ちます」と制止させた。セイラの顔を見たシャアは「似ている」と少し驚いた表情を浮かべ、彼女の指示に従ってヘルメットを外した。
ヘルメットを取ったシャアの素顔を見たセイラがハッとした瞬間、それを見逃さなかったシャ アは素早く近づくと、セイラの持っていた銃を蹴り上げた。その一連の動きはまさに神業といえるだろう。
ただ、このシーンにはひとつの大きな疑問も残った。セイラが銃を構えたとき、2人の間にはかなりの距離があった。シャアは接近しようとしたが、すぐにセイラに「動くと撃つ」と制止されていたため、銃先に脚が届くほど距離を詰められたとは考えにくい。
さらに、いくらシャアの顔を見たセイラがたじろいだとしても、あれだけの距離を詰める間に発砲する時間は十分あったはずだ。それにもかかわらずシャアが銃を蹴り落すほうが速いなんて、瞬間移動でも使ったとしか思えない。
“赤い彗星”の異名を持つシャアは、自身の専用機である赤いザクが「通常の3倍のスピード」と恐れられている。セイラとの距離の詰め方の尋常でない速さは、専用モビルスーツだけでなくシャア本人も人より3倍速く動けたとしか考えられないワンシーンだった。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったものの、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれるなど空前のヒットに。現在に至るまで数多くのシリーズやスピンオフなどの派生作品が制作され、高い人気を誇る。
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