■「厚生年金の支払い額が増えた人は、将来の給付が増える。それは確実に言える」
現行では、「月収65万円」の上限より多い人、例えば月収100万円の人も支払う保険料率は「5万9475円」だ。大妻女子大学短期大学部教授で厚労省・年金部会長代理の玉木伸介氏は「(上限は)もう少し引き上げてもいいと思いながら、年金部会の議論に参加していた。ただ、厚生年金で支払うお金が増えた人は、将来の給付が増えて返ってくる。それは確実に言える」と説明。
たかまつは、「年金の等級は、医療保険よりも少ない。“将来もらえる年金額に大きな格差が出てくるのは良くないのではないか。抑制しよう”ということで、上限が設けられているからだ」とした上で、「社会保険の原理原則に立ち返るべきだと思う。リスクを分配して、払える人は払いましょうというのが応能負担だが、男性であれば上限65万円以上の割合が最も多い状況は、そうはなっていない。払える人からはもっともらっていいというのは、私も部会で言ったことだ」と明かす。
一方、玉木氏は折半する企業の立場から、「半分の9.15%を払う企業側は、将来年金をもらえない。上限を75万円から85万円、90万円と上げていくと、企業としては負担が増えるため、“ちょっと勘弁してくれ”という声が出てくる。ここは政治、社会のバランスの中で決まる話だ」とした。
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