■自身も透析患者の弁護士「誤った知識がSNSに…」

 透析患者に向けては「自業自得」といった声も向けられる。しかし、透析をしている弁護士のMiiさん(女性、30代)は「『透析に至るような人は自堕落な生活をしていた』というスティグマ(偏見・差別)が大きいのが、一番問題だ」と語る。

透析患者で弁護士のMiiさん
拡大する

 Miiさんの病名は、尿細管間質性腎炎。20代前半で、原因不明の高熱が不定期に続き、健康診断で腎機能の低下が判明した。その後は10年以上、定期検診を行いながら経過観察していたが、3年前に透析治療を開始。毎週月、水、金曜日の午前中に約3時間行っている。

 生活においては「そんなに困っていないが、現役世代で仕事をしているため、時間調整に気をつかう」という。「透析も週5回仕事に行くのと同じで、週3回病院に行くスタンスで、今のところは通えている」。

 SNSには、まったくのデタラメも流れているそうだ。「『透析患者に使われるから献血に行きたくない』と言う声がけっこう見られるが、前提知識の誤り。私たちは輸血してもらっているわけではない」。

 その上で、「私は糖尿病などではないため、『Miiさんは自分のせいじゃない』と言われることが多い。ただ、自分だけが安全地帯にいたいわけではなく、同じ透析患者が偏見にさらされている現状をなんとかしたい」と訴える。

■パックン「批判の全てが偏見ではないかもしれない」
この記事の写真をみる(4枚)