■USAID、年間援助は約6兆円

USAIDとは
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 USAIDは1961年に設立。「アメリカの海外での人道支援や開発援助を行う、国務省とは独立した組織」(朝日新聞社より)であり、2023年の援助実績は、400億ドル(約6兆円)にもおよぶ。これはアメリカの国際援助における支出の約6割にもなる。2022年2月以降、ウクライナに対し人道支援で26億ドル(約4000億円)、開発援助で50億ドル(約7700億円)などを提供。1万人以上いる職員の約3分の2が海外勤務で、60以上の国と地域のミッションがある。これに対しトランプ氏が、ほとんどの職員を全世界で休職とし、海外で働く数千人の職員を30日以内に帰国するように指示。さらに対外開発援助の効率性と外交施策との一貫性評価を行うためと90日間の援助停止を決めた。一部継続する人道支援を除いては廃止されるため、支援を受けている世界各地で動揺が走った。

 今回の“アメリカ版事業仕分け”とも呼べる動きに、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は「世界の政府予算はずっと上がり続けるので、こういう劇的なやり方でないと減らすことが起こり得ない」とし、CIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)に比べて、アメリカ国内でもさほど注目されていなかった機関だという意見に対し「USAIDがなくても社会がそんなに困らないということならば、アメリカ人が税金を払いたくないのも当然」だと、理解を示した。またジャーナリストの佐々木俊尚氏は「アメリカがそう判断したならしょうがない感じがある。年間400億ドルを無償援助というのは、規模としてはめちゃくちゃ大きいが、トランプ氏が言ってきているのは『もうアメリカは世界の警察ではない』ということ。それをアメリカ市民が同意、指示している」とコメント。

 また政治学者の岩田温氏も「アメリカは戦後、世界中にお金をばらまいてきた。それは貧困国が共産主義勢力に飲み込まれてしまうところを、自由主義営に入れた方がよかったからだ。ただアメリカは世界の超大国ではあるけれど、世界中にお金をばらまけるほど豊かじゃなくなった。トランプ政権を支えているのも多くは貧困層。そういう人たちからすると、他の国にお金を渡して、自分たちの国のことをやってくれないんだという思いは、すごくわかる」と、USAIDが閉鎖に向かったことを受け止めるべきだとした。

■USAIDからジャーナリスト・メディアに年間400億円
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