■USAIDからジャーナリスト・メディアに年間400億円

ジャーナリストに資金提供?
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 USAIDをめぐり物議を醸しているのが、メディアとの関係性だ。国際ジャーナリスト団体・国境なき記者団によると、USAIDは30カ国以上で独立系メディアを支援しているという。また2023年には、6200人のジャーナリストの養成・支援に資金提供、707の非国営報道機関を支援。さらに2025年は対外援助予算で2億6837万6000ドルを計上し、これが「独立系メディアと情報の自由な流れ」を支援するため、だったとした。

 これに対しBBCメディア・アクションは、USAID他援助団体から資金提供を受けているが「BBCニュースとは独立」している、またBBCニュース側からもUSAIDから資金提供は受けておらず「BBCメディア・アクションとは独立」と発表した。また他メディアでは、ポリティコ、AP通信、ニューヨークタイムズ、ロイターなどが、資金提供について否定するコメントを出している。

 InFact編集長で元NHK職員の立岩陽一郎氏は、USAIDが資金援助しているのは「まだ民主主義が成立していない地域。東南アジアなどのジャーナリストに対して、お金がある程度出ているのは事実」とし、「アメリカ政府のお金を受け取らないというのが、真っ当なジャーナリストだと思う」と述べた。またこの資金援助が、保守系の言論を封じるためといった言説については「はっきりとした根拠がわからない」というにとどまった。ジャーナリストやメディアが政府から資金援助されることの意味合いには「一番大きいのは、アメリカ政府が何か問題を起こした時に、お金をもらっているジャーナリズムがアメリカ政府に対して物を言えるのか。仮に言ったところで、それが真っ当な内容だと思われるのかは常に意識しないといけない」と加えた。

 また、ジャーナリストの津山恵子氏も「アメリカ政府ではなくても、アメリカの報道機関が財団、あるいは企業から寄付金という形で資金を受け取っているというケースはたくさんある。寄付をする理由は、報道機関が民主主義の監視をしているという機能があるからで、それに対して資金を提供するという習慣がある。政府からお金が出ている理由が、民主主義を守るためと定義付けられているかどうかはまだ不明で、そういった場合は、やはりジャーナリストとして資金を受けるのは非常に不透明な理由だ」と語った。

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