そして、新島の伝統を守るべく、池村さんは後継者募集に乗り出した。
「魚屋が置いてくれなくなったので、やはり売り上げは減ってはいる。300年続いたというのも、一瞬一瞬をみんな生きてきたのが積み重なった300年だ。これからも一瞬一瞬を楽しく作業して、あと300年続けばいいかなと思っている。そうしたら、もっと今よりおいしいくさやができる。絶やさないようにしている」(池村遼太さん)
くさや汁の門外不出も解禁して、「どんどん分けていこうかなと思う。体験して、いいやつだったらあげる」と決めた。しかし、現場のリアルは初心者には難敵だ。「作業が終わると、鼻毛が1センチぐらい伸び、よく妻に『伸びてるよ』と言われる」。妻の咲さんは「臭すぎて、洗濯してもしても臭い。いろいろな洗剤を試して。『オキシ漬け』で一晩つけて…」と語る。また、島外から見学に来た小学生の大半は、その臭いに耐えられず嘔吐してしまうという。
そして行われた3泊4日の就業体験ツアーには、東京出身の4人が参加した。「臭いと思っちゃったらどうしようと不安」(20代)、「やらせてもらえるんだったら、3000匹でも1万匹でも。本気でここで挑戦する」(30代)、「頑張ります」(20代)と意気込む参加者だったが、いざ地下タンクを開けると「臭いがすごい」との声が。これに池村さんは「この臭いが、また欲しくなると思う」と返した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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