加えて、葬儀を行う意味が理解されていない点も挙げる。「葬儀に参加して、『退屈だ』と感じたことはないか。僧侶のお経は何を言っているかわからず、英語がわからない人が、字幕のない洋画を見せられているような状態だ。そんな中で1時間近く座らされて、退屈するのは当然だ。儀式の在り方に問題がある」と指摘する。

 古溪さんは僧侶の立場から、「確かに葬儀は長く、退屈だ」としながら、「テーマパークのアトラクションには1時間並ぶ。すぐ効果が出るものは優先順位が高くなる昨今、すぐ効果が出ない葬送儀礼の立ち位置を、どうしていけばいいか」と危機感を示す。

 持論は「『弔ってもらっている感』を与えられない僧侶は不要だ。決められた日時に斎場に来て、木魚をたたいて、お経を読むだけの人は要らない」。よく“葬式仏教”と表現されるが、「大切な人の喪失感が癒えるように、最近では“グリーフケア”が重視されている。日本には三回忌、七回忌、十三回忌と、昔からの段階的なグリーフケアがある。これをなくしてしまえば、あとから大きな喪失体験に気づくことになる」と警鐘を鳴らす。

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