■“稼げる農家”語るコメ不足の原因

 Uターン就農の米農家で、「稼げる農家」としてノウハウを発信する徳本修一氏は「率直にコメ農家として、作況指数101というほどよくない。特にこの2年は本当に夏が暑くて、品質と収量含めてとれていない。関西のある産地では、作況指数が60、70ぐらいじゃないかという農家もいる。また、それらを精査する仕組み、見込みが甘かった。そして、あまりメディアで言われていないことだが、縁故米の存在。コメが高いから、親戚や都会に行っている子どもなどに送る量が例年より増えていると、農家仲間からの話で感じる」と説明。

コメの流通(「稼げる農家」徳本修一氏、左列中段)
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 コメの卸しは、集荷団体に出す、直接販売、縁故米の3パターンがあるとし、「集荷団体に出されるのは大体46%だが、それが集まっていない。どこかに売ったか、出す量がなかったか、農家が売っていないということだと思う」と、所感を語る。

 集荷団体に出さないことのメリットが農家側にあるのか。「これだけ相場が跳ねると、中間流通や農家の一部でモラルの欠如ではないが、“そっちで”となってしまう。一方で、複数年契約で、相場を上げずに流通している農家、流通業者もたくさんいて、そのあたりが混同されている。中食や加工用、飲食、コンビニ、お弁当屋さんで価格がそんなに跳ねていないのは、まさに複数年契約で流通しているから。小売レイヤーのコントロールミスでスポットの価格がやたらと跳ね、そこに“コメが高い”とメディアが集中している形だ」と述べた。

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