その後は、くさや作りの行程へ移る。すべて昔ながらの手作りで、魚をさばき、内臓を取り除くなど、根気と丁寧さが求められる。くさや汁に魚を漬けるのもしっかり染み渡るように手作業だ。半日から一晩漬けて取り出し、水で3回洗う。そして、やさしく身の形を整えながら干す。使い終わったくさや汁は、タンクに戻され、再び発酵される。丁寧に作業しても、「(身が)割れてるのは売れない」と池村さんは説明する。

 実際に自分たちで作ったくさやを食べてみる。焼くと臭いは倍増するが、参加者は「おいしい」「我が子みたい」と口をそろえた。

 新島はかつて、あふれんばかりの観光客でにぎわったが、近年は徐々に衰退した。一方、名物のくさや生産量も、2007年から右肩下がりに。島では、移住の受け入れが死活問題になっている。

“塩職人”も島外からの移住者
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