■地方の私立には大きなプラス「神風が吹いた」

3党が合意した無償化イメージ
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 現行では世帯年収910万円までの世帯に11万8800円、590万円までの世帯に39万6000円の就学支援金が支給されている。これが今年4月から所得制限なく全世帯に11万8800円を、さらに来年4月から上限を39万6000円から45万7000円まで引き上げた上、所得制限もなくす。新たに受給する人は約87万人、増額する人も約83万人とされる。公立はもとより、私立の授業料の無償化も目指すもので、高額の授業料が進学へのネックになっていた私立においては、大きくプラスに働くことになる。

 宇都宮海星学園理事長の石川一郎氏は、今回の3党同意について「地方の私立校ということで考えると、神風が吹いた。学校としてお金が担保される、学費が取れるのはとても助かる」と率直に述べた。施設なども充実した私立に人が流れるかという点においては「そう甘くはなく、基本的に親御さんは公立出身。地方の場合は、私立は(公立に)落ちたら行くところと考えているので、急に私立に流れることもない。ただ東京都の例を見ると、授業料無償化によってかなり私立に流れている現象が実際に起きている」。東京都は私立の割合が50%を超えるが、秋田や沖縄などは10%以下と、地域によってもかなり差も大きい。

■大阪は公立の過半数が定員割れ
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